7 先 生 力 を
 
ミッチャンのおじいさんは、よく「先生力(せんせいりよく)」ということを言っていました。
もし健在なら、「ミチ、先生力を磨かにゃあ〜いかん」と、くどくも辛くも言うでしょうね。

「先生力」とは、指導技術のことではありません。「先生力」は、指導技術を支える基礎力です。
おじいさんの言う「先生力」のある先生とは、次のような先生のことです。

 〈先生力のある先生とは〉
 @ 子どもの好きな先生
 A 子どもが主役と考えている先生
 B 常に子どもと向き合っている先生
 C 保護者と信頼関係を築いている先生
 D 「忠恕(ちゆうじlょ)」の心を秘めている先生

ミッチー先生は、子どもが好きだから@は合格。
Aも大丈夫でしょう。Bは学校はとても多忙ですから、かなりそのつもりにならないと無理でしょうね。
CとDは、ミッチャンの努力次第です。

またミッチャンのおじいさんは、「学び方を学ばせる」ということにも、心していました。

おじいさんは、教え込む、知識を詰め込むということをなるべく避け、知識を自分から獲得しようとする意欲と、知識を獲得する方法を身につけさせる、すなわち「学び方を学ばせる」ことに、意欲を注いでいました。

子どもはみんな、内に豊かな心を宿しています。優れた能力を隠し持っています。それを迎え導き出してやるというのが、教育の根本ではないでしょうか。

 「木の中の 仏迎える 鑿(のみ)の技」
これは大阪四天王寺の仁王さまを刻んだ仏師松久朋琳翁が、仏像を彫るときに念仏のように唱えていた言葉だそうです。
ミッチャンにも指導に当たっては、いつも「子どもの中の能力を導き出す」という心構えを秘めていてもらいたいと思います。
ピカピカの先生には、理解しにくいことと思いますが、心の片隅に止めておいて下さい。

さて、ミッチー先生はおじいさんに褒められるような、

先生力に優れた先生になれるでしょうかな。

                            

1

inserted by FC2 system