6 辞令をもらって

 ミッチャンから、4月1日の夜「オジン、見て」と言いながら、『立原市立潮(うしお)西小学校教諭に補する』と記された辞令を手渡されたときには、ミッチャンのおじいさんと一緒に見られたらどんなにかよかったものをと、目頭が熱くなりました。

 オジンが、「今度の土曜日に、辞令を持っておじいさんのお墓参りに行こう」と言うと、
 ミッチャンは、「いいから、いいから、ミチはお墓になんか行かんもん。おじいさんはここだから」。と、自分の胸をポンとたたいて、逃げるようにして帰って行ったミッチャン。

 後でお父さんから聞いた話によると、辞令をおじいさんの仏壇に供えて、「チーン」と、お鈴(りん)を鳴らしていたとのこと。 

 天国のおじいさんも、幽明境を異にしている先生のOB仲間に、
「孫の道子が小学校の先生になってのん。心根の優しい子だから、きっと子どもに好かれるいい先生になるだろうよ」と吹聴していることでしょう。

 「ミッチーを 先生と呼ぶ 子らがいて 立原市立 潮西小」 (サラダ記念日をまねて)

  花の4月の1日に、愛するミッチが先生の、小学校の先生の、スタートラインを切りました。
  校舎も校庭も春うらら。
  子どもはみんな光ってる。
  先生はみな気力満々。

 子どもたちに「ミッチー先生大好き」と言われ、
 先生仲間に大事にされて

 子どもの家族に信頼されて
 校区の皆さんに愛されて
 思う存分羽ばたいて下さい。 

 ミッチャンの家の裏庭では、おじいさんお手植えの辛夷(こぶし)が、いっぱいの花をつけ、ミッチー先生誕生を祝福しています。

  「春風や 闘志抱きて 丘に立つ」 (虚子)

前途洋々、ミッチー先生に幸あれ!

                         

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