20 天道と人道
「天道と人道」については、ちょと理屈っぽくなりますが、人の子を育てるのに、大事なことですので、付き合って下さい。
天道とは
地上に芽生えた植物は、太陽と水の恵を得て、草原となり、森林となります。森には動物が住み、海には魚介類が生息します。この自然の恵みなくしては、人は生きていけません。これは天道です。
「子どもらは、遊びをせんやと生まれけん。戯れ(たわむれ)せんやと生まれけん」 (梁塵秘抄・りょうじんひしょう)
梁塵秘抄によれば、子どもたちは、戯れや遊びをするために生まれてきたと言うことです。これも天道、すなわち自然の恵みです。
子どもたちから遊びを取り上げたら、子どもたちの意欲はそがれてしまい、健全な成長は望めません。
かと言って、子どもたちが遊び放題遊んでいては、やはり未来を託すに安心できる人にはならないでしょう。
人道とは
天の恵を得て、草花はすくすくと育ちますが、田畑に草花ばかりでは、人が必要とする野菜や穀物は収穫できません。
草を引き花を手折って、土を耕し、種をまいて肥料を施し、手間暇(てまひま)掛けて始めて人は食べ物を口にすることができるのです。 これは人道です。
子どもたちも、遊びほうけ戯れているだけでは、社会で活躍する有能な人になることはできません。
運動し、勉強し、人とのふれ合いを通して、丈夫な体、賢い頭、忠恕の心(思いやりの心)を育てなくては、人の道を全うすることはできません。 これも人道です。
天道を深く洞察し、天道に従いながら、人道に生きることが大切なのです。
天道に従い、人道に生きる。 |