11 先生は心ふるえる仕事

<元トヨタマンで41歳の新人教師、Mさんが日進市立梨の木小学校で第一歩を踏み出した。ー中日新聞、H20/4/21付ー>
「子どもの心に夢を」と、トヨタの人事主任から教師に転職したトヨタマンがいます。
新聞記事によると、
 ・ 元トヨタマンのMさんは、小学校4・5年生のときの担任だったS先生にあこがれ、小学校卒業後も先生と交流を続けていた。
 ・ 「S先生のような先生になりたい」という思いが断ちきれず、教員採用試験を受け、見事に合格した。
 ・ トヨタマンを振り切り、「私がS先生にしてもらったように、子どもたちの心に夢の種を植えたい」と意気込んで、小学校の先生としての第一歩を踏み出した。
 (付記=M先生が、採用試験に合格したことを報告したとき、我がことことのように喜ばれたS先生は、M先生にバトンを引き継ぐかように、ガンで他界されたそうです)    

Mさんが、小学校の時のS先生にあこがれて、トヨタマンから小学校の先生に転職したということを聞いたS先生の喜びは、いかばかりだあったでしょうか。

また、
知人の校長さんからいただいた文集『願いを込めてひとりごと』(平成16年〜18年・K校長)の中に、こころのふるえを覚えます」と題したいうくだり(条)がありました。
文集によると、
 ・ 25年前に中学校で担任した子が、「先生が今年退職だと聞いたので、中学時代に可愛がってもらったことのお礼を言いたくて」と、訪ねてきてくれました。
 ・ 「先生が高校入試のときみんなに、ご祈祷を受けた鉛筆を下さったが、今も持っています。その鉛筆は大切にしており、警察官として上級試験を受けるときには、必ず使っています」と言いながら、半分ぐらいになってくすんだ感じの鉛筆を取り出して見せてくれたときには、思わず目頭が潤んでしまいました。
 ・ 彼もハンカチを出し、しばらくの間無言のときを過ごしました。
 (付記=文中に、K校長さんは、彼が中学2年生のとき父を亡くしたので、特に目を掛けていたということも書かれていました)

くすんだ鉛筆を見せてもらった校長さんは、口には表せない心のふるえを感じたことでしょう。

     先生の仕事には、心ふるえることがいっぱいあります



          

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